2人は財布を持って教室を出た。

お昼時なので、廊下は騒がしい。

「コロッケパン売り切れる前に行くべ!」

廊下を歩く私たちの横を、走って通り過ぎる男子たち。

「コロッケパン、男子に人気だよね〜。」

「女子にはメロンパンが人気みたいだよ。でも、私はコロッケパンの方が好きだけど。」

「そう言うと思った!祈歌《きう》は絶対惣菜系だよね!菓子パンだと何が好きなの?」

女の子って、甘いものが好きなイメージあるんだろうけど、私は甘いものより、ご飯系が好き。もちろん、甘いものも食べるけど。でも、やっぱりご飯系!

「ん〜なんだろ。チーズ蒸しパンとか?あ、クロワッサンも好きだよ。葉南《はな》は?」

「あたしは、シュガーマーガリン!あとは、チョコクリームパンも大好き!甘いものは幸せをくれるからね〜♪メロンパンも好きだし、買われるまえに行こ!」

葉南に手を掴まれて、購買へ向かう足を早めた。階段を駆け下り、1階ラウンジを通り過ぎて、食堂前の購買へ。

予想通り、列が出来ていて、コロッケパンは売り切れたみたい。

「メロンパン売り切れてないといいなぁ。」

列に並びながら、葉南は呟いた。

そして前に居た人がメロンパンを購入。