寝不足って言ってベッドで寝てるの、杉谷くんだったの?

「やだよ、帰りたくねぇって言ってんじゃん。」

「此処はね、具合の悪い人とか、怪我人のための場所なの。」

「俺、怪我人だし。」

「学校で怪我をしたわけではないでしょ?授業サボって寝てるんだから。」

私は布団を被ったまま、先生と杉谷くんの会話を聞いていた。

「此処の方が、よく寝れるんだよ。」

「ほら、我儘言ってないで起きなさい。」

「はいはい。分かったよ。なぁ先生、早瀬はどうなの?」

え、私の話⁈

「具合悪いんだろ?」

「ゆっくり寝てるわよ。少しでも、良くなるといいんだけど。」

「腹痛いとか、言ってたろ。薬は?」

うっそ。先生との会話、もしかして聞いちゃってた感じ?寝てたんじゃなかったの?

生理痛の話してたし、なんか男子に聞かれてたとか、恥ずかしいんですけど。

「本人が望んでないものは、あげられないわ。」

「けど、寝て治るってわけでもねぇんだろ?せめて、痛み止めくらいさ。」

「心配なのは分かるけど、先生が居るから大丈夫よ。杉谷くんは教室戻る。」

「戻ったって意味ねぇよ。勉強とか面倒くせー。俺は残る。」