滝野川駅に降り立つ。改札口を抜けると、すぐに商店街の中心地に出た。賑やかな声や買い物客の足音が響き渡り、様々な店舗が並ぶ光景が目に飛び込んでくる。鮮やかな看板や通りを行き交う人々の笑顔が、温かい雰囲気を醸し出していた。徒歩で30分ほど歩くと、新聞販売店の看板が見えてきた。

ここが、就職先だ。身分は新聞奨学生。新しい職場に向かう道すがら、心の中には期待と緊張が入り混じっていた。新聞販売店の扉を開けると、軽やかなベルの音が鳴り響く。中に入ると、店内は所狭しと並んだ新聞や雑誌で溢れており、独特の紙の香りが漂っていた。棚には最新の新聞が積まれ、色とりどりの雑誌が目を引く。店主は温かい笑顔で迎えてくれ、私は自己紹介をしながら、これからの仕事について少しずつ教わることになった。

彼の言葉には経験に裏打ちされた深い知識があり、業界の話や仕事の進め方について聞くうちに、ますますやる気が湧いてきた。店内の賑やかさや、新聞を求めるお客さんの姿を見ると、ここでの生活がどんなものになるのか、楽しみでならなかった。