笑顔の社長に見送られて駅へ向かって歩いている時だった。

「才高さん、お祝いしましょう」と突然、結城が言った。

「お祝い? なんの?」

「才高さんの初仕事のお祝い」

「えっ? わたしのお祝い?」

 思い切り戸惑った。
 無事に終えることができたとはいえ、今回の仕事はわたしの力だけでできたわけではない。
 彼女の力添えが無ければ、彼女が撮った素晴らしい写真が無ければ、こんなに完成度の高いものはできなかった。
 だから二人のお祝いにしようと提案すると、彼女はにっこり笑って頷いてくれた。