差し込みプラグをコンセントに挿すと液晶画面が光って表示が点滅したので時刻を合わせた。
 それから炊飯器の鍋を取り出して、計量カップ3杯分のコメを入れ、たっぷりの水を張って手早く洗い、すすいだ。それを3回繰り返して水加減を調整し、おいしく炊けますように、と願いを込めて蓋を閉めてメニューボタンを押し、白米急速を選んだ。
 
 炊き上がるまでの時間を利用して顔を洗い、水に濡らしたタオルを絞って髪と体を拭いた。
 さっぱりとしたところで、茶碗と箸と梅干をちゃぶ台の上に置いた。
 そしてご飯が炊きあがるとすぐにほぐして、少し蒸らした。
 
 茶碗にご飯を盛って鼻に近づけると、甘い匂いがした。
 ゆっくり口に入れると、甘い味がした。
 
 炊き立てのご飯って、こんなに甘かったんだ!

 ちょっと感動したが、待ちきれなくなってご飯の上にシソを乗せて一緒に食べた。
 すると爽やかな酸味が口いっぱいに広がった。
 
 おいしい!

 なんとも言えない気持ちになってすぐに真っ赤な梅干に箸を伸ばしてご飯の上に乗せると、口の中が唾液で満たされた。
 たまらず梅干だけを口に入れ、(とん)がりで舌を傷つけないように気をつけながら種を出して、ご飯を口に入れた。
 
 すっぱい。
 でも旨い。
 梅干とご飯のコラボレーション。
 最高のマリアージュ。
 あ~幸せ。
 
 梅干とシソだけで3合のご飯を平らげてしまった。

 ごちそうさまでした。