京都や大阪のネット情報に隅から隅まで目を通していると、京都と大阪の中間にある小さな町の築30年の物件に目が止まった。
 駅から徒歩20分で、6畳の和室と小さな台所、トイレのある木造のアパートだった。
 シャワールームはなかったが、近くに銭湯があると書いてあった。
 そして、即日入居可と赤字で記載されていた。
 敷金礼金はなく、家賃は丁度3万円。
 希望に近い物件だった。
 しかし、保証金が必要だった。
 入居時に家賃の50パーセントで15,000円。
 その後毎月1,000円が必要だった。
 また、1年後に更新料として家賃の1か月分が必要だった。
 家賃以外に57,000円いるのだ。
 これはちょっと痛い金額だったが、雑費予算の中でやりくりすればなんとかなるように思えたので、迷いながらも不動産会社に電話して物件を押さえた。
 
 次は今住んでいるマンションの解約だ。
 契約では1か月前に通知することになっている。
 解約後、敷金2か月分は返ってくるが、1か月分の家賃と原状復帰費用が発生する。
 持ち出しにならないか心配したが、なんとか敷金内で収まりそうだった。
 手持ちのお金に手を付けずに済みそうなことに安堵した。