先ず、住むところを確保しなければならない。
 物価の高い東京では無理だ。
 それに屈辱を味わった東京に住み続けることは不可能だ。
 ガールフレンドの顔も見たくない。
 悩んだ末に地元に帰ることに決めた。
 しかし、親に頭は下げられない。
 どの面下げて実家の門をくぐれるというのか。
 首を強く振って親の顔を頭から消し、生き残るための策を必死になって考えた。
 
 収入が無くても最低1年間暮らすためには手元に残った100万円をどう配分すればいいのだろうか?
 
 1年間暮らすための色々なシミュレーションをして、結論に辿り着いた。
 三分の一を家賃に、三分の一を食費に、三分の一を雑費にすることにした。
 ということは、家賃にかけられるのは約33万円ということになるから、敷金礼金がなく家賃3万円以下の物件を探すことにした。