青天の霹靂!
 
 その日の朝方はカーテン越しに光が漏れていたが、午後になると部屋は薄暗くなり、夕方には雨が窓を叩き出した。
 夜にはゴーという音と共に激しく窓にぶつかるような雨の音が聞こえてきた。
 まるで台風のような荒れ方だと感じた。
 
 それは天気だけではなかった。
 わたしの身にも容赦なく襲い掛かっていた。
 株価下落という暴風雨が吹き込んでいたのだ。
 しかし、そのことをわたしは知らなかった。
 いや、知り得なかった。
 何故なら、わたしはインフルエンザに罹患して40度近くの熱を出していたからだ。
 そんな状態だから株価の情報に接することはできなかった。
 ガールフレンドがジュースやゼリーなどを買って玄関の上り口に置いてくれたが、部屋の中に入らないようにと言っていたため、誰とも接触しない日が何日も続いた。
 だから、わたしがその暴風雨を知ったのは翌週だった。