どこまでいいのかな、を考えた。考えるより聞く方が早いので、即座に実行に移した。


「ねえちゅーは?」

「駄目」

「じゃあデートは?」

「無理」

「デートもダメなの!?」

「当たり前」


──玉砕だった。

でも、ハグはいいって事だ。家に来ても怒られないし、たぶん、お泊まりも一度許して貰えたので、良いってことにする。


でもでもでも!女子高生は、デートがしたい!!

余所見しない代わりに、ご褒美が欲しい!!



「んっと、古典の課題は毎回出すし、テストは100点取るし、授業も真面目に受けるし、クラブには行かないし、えっちなことしないし、あ!でも先生がえっちな写真が欲しければ撮って送るし、放課後には雑用引き受けるし、ぇえっと、座り方に気をつけて、パンツ見せないようにする!」


「おー、がんばれがんばれー。あとえろい写真は間に合ってるから、いらね」


しれっと盛り込んだ賄賂作戦まで失敗である。


「ダメかあ、うう、高校生のうちに、海老センとお出かけしたかったよぅ〜……」


ま、卒業してからでもいっか!

黒崎心桃は、自他ともに認める負けず嫌いで、めげないし、ポジティブな女である。