「ゆず、一緒?」
会ファ、というその文字を見て固まるあたしの姿で察したのだろう。お飾りルーズリーフをやめて、直接また話しかけてきた。
早かれ遅かれバレてしまうしこくりと頷けば、何やらまたボールペンを手に取り始めた。イエスかノーかで答えられる質問だけ声にしてんのかい。
【今日、この後のガイダンス一緒に行こう】
【ヤダ!!!!!!!!!!!】
この文字を見てからはすぐに拒否を言葉にしてやった。秒速でびっくりマークを量産した。
イエスかノーかで答えられるけどわざわざ文字にしてきてくれたので同じように返してやった。嫌なもんは嫌だ。苦手だし、目立つし、面倒ごとは避けたい。
この男は昔からいつも女関連の噂や情報を身に纏っていた。噂、と呼ばれるものには際限がなかったけれどどれも真実のようで、この男の存在こそが根拠だった。