100人以上を閉じ込める講義室という名の箱は、今日も声と声が重なり合って喧騒を生み出す。


2年になって1週間ほど経った今日、履修予定の科目が一巡して、どの授業も雰囲気がわかってきたところだ。


この授業はレポート型、遅刻厳禁出席型、テスト至上主義型、とか特色はそれぞれあるけれど、その中でも私の隣に座る人間が1人もいないことだけは不変だった。



大学は授業を受けに勉強をするところ、という大学生に似合わない本来の目的をバカみたいに掲げるあたしに後ろの席がいいなんて概念はないから、前の席がどの講義もたいてい定位置だ。



変に後ろの方に座ってぎゃあぎゃあといつも通りの下品な話が嫌でも耳に入ってくるのも御免だし。


去年から履修が被ってる同じ学部の子達もあたしの定位置は前の席(+おひとりさま)だと思っているだろう。