あっという間に昼休み。

はるちゃんがお昼に誘ってくれて、わたしたちは食堂に出向いた。

初めての食堂だから学食を頼もう、そう思ってメニューを見ると、学生の食堂とは思えない、破格の高級ランチがずらりと並んでいた。



「はるちゃん、ここの学食高いね……?」

「うん、庶民の私には手が出ないよ。もしかして、みやびちゃんも庶民寄り……?」

「もちろんだよ~、こんなの買えない」

「じゃあ、お近づきのしるしにこれをあげよう」



はるちゃんはそう言って、学食の中で最も高額な和牛ステーキの無料券を差し出した。



「え⁈こんなの受け取れないよ……」

「いや、私お肉あんまり食べられなくて。うちのクラスが球技大会で優勝したときに配られたやつだから、むしろ貰ってほしいな」

「そういうことなら……ありがたくいただくね‼」

「うん、星付きのシェフが作った絶品の一品のはずだよ!」