シチローは、皆の顔を見渡す為に頭を上げた。


「あれ…コブちゃんと
ひろきは?」


さっきまで一緒にメールを覗いていた、子豚と
ひろきの姿が消えていた。


二人共、あまりの恐怖にこの場にとどまって居る事が出来なかったのだろうか?


「そうか…やっぱり、今回ばかりはあの2人も
冗談言える状況じゃあ無いか…」






だが…











「シチロー~♪
ビールどの位持って行けばいいかな~♪」


奥のキッチンからは、まるで慰安旅行にでも行くようなひろきの楽しそうな声が聞こえた。



そして、子豚は…



「ジャ~~ン♪
『未来戦隊エンゼルス』!」


奥のキッチンから、体中にアルミホイルを巻き付けて登場する、子豚。


「何…その格好…?」


「や~ねぇ♪『未来コス』じゃないの。カッコイイでしょ~♪」


どうやら、調理用のアルミホイルは映画などに出てくる未来のメタリック調のボディスーツをイメージした物らしい。


シチローは、一瞬でもこの2人の心配をした事を深く後悔した。


「なるほどコブちゃん…それなら、まるごと火にくべられても大丈夫だな♪」


「『子豚の丸焼き』じゃね~よっ!」