「それで博士…この機械の使い方なんですけど…」


初めてこの機械を目にしたシチローは、瀬川博士にその説明を求めた。


「使い方は簡単だ♪
君達は、このヘルメットを被って椅子に座ってくれれば良い。この機械は、君達の脳波をコントロールして君達を『mother』の創るバーチャルワールドへと、ネットを通じて送り込んでくれる」


「なるほど…直接戦うんじゃなくて、バーチャルだから命の危険は無い訳ですよね♪」


シチローは、そう言って安堵の表情を見せた。


だが…


シチローのそんな言葉を耳にした瀬川博士は、困った様な顔をして凪の方を振り返り、その凪も何か浮かない顔で俯いていた。


「いえシチロー…今まで何人もの人間が、この機械を使って『mother』のバーチャルワールドへと送られて行ったわ…
けれど、無事にこの場所へ帰って来れた人は1人もいないの…」