「ええ~い!もはやこれまで!かくなる上は!」


ヤケクソになった大目付の大隈が、積み荷の鉄砲に飛びついた。


と、同時に悪代官の山中が火種になる“いぐさ”へと手を伸ばす。


「むっ、血迷ったか!
大隈!」


素直にお縄を受けるものと甘く見ていた光圀達は、その予想外の行動に慌てた。


「うるさい!どのみちこのままでは切腹は必至。もう、恐れるものなど何も無いわっ!」



大目付、大隈と悪代官、山中の最後の悪あがき!




そして、その黒光りする筒先は光圀の方へと向けられた!




「御老公!危ない!」


すかさず助さんと格さんが光圀の盾になるが、それではその三人もろとも格好の標的となるだけである。


「水戸光圀公!お命頂戴!」