船荷を運び始めておよそ1時間が経った。


人夫になりすました
シチロー達は……


「いやあ~ご隠居、疲れましたね……ちょっと抜けてひと息つきませんか?」


シチローが光圀の耳元でそんな事を囁くと、光圀は、けしからんと怒るかと思えば……


「そうですな♪いや、助さん、格さんもいる事だし少し位は構わないでしょう♪」


光圀も、慣れない肉体労働でそうとうに参っていたとみえる。


二人は、頭の目を盗んで船を抜け出し、既に荷物を運び終えた荷車の影に隠れた。


シチローは、木箱をひとつ降ろしてその上に座ると、おもむろに袖の中から煙草を取り出し、それをくわえてライターで火を点ける。


「フゥ~~♪
労働の後の煙草は美味い♪」


その様子をまじまじと眺める光圀は、改めて不思議そうに呟いた。


「本当に摩訶不思議じゃ…何故そんな簡単に火を起こせるものかの?」


「あっ、ご隠居もどうですか?一服♪」


「ふむ…では、ひとつ
頂きますか……」


荷車の影に隠れ、木箱に並んで座り煙草をふかすシチローと光圀。





「フゥ~~~♪」













お前らは不良高校生か……