越後屋が思わず口にした鉄砲という言葉。
これを突破口としない手はない。
「でも越後屋の旦那。
鉄砲といえば、幕府御禁制の品!そんなに簡単には手に入らない筈でしょ?」
てぃーだは、そんな手に入らない鉄砲など“絵に描いた餅”と一緒で何の現実味も無い話だと、越後屋を煽ってみる。
「やっぱり、一番強いのは剣術の腕が立つお侍さん♪」
「いや!そんなものより鉄砲じゃ!お前は知らんかもしれんが、鉄砲なんぞ簡単に手に入るのだぞ♪……現にこの五日後、儂の仕入れた鉄砲百丁が港に届く段取りになっておる♪」
そこまで喋って越後屋はハッと自分の口元を押さえた。
(おっと、これは内密の話だったな……まぁ、芸者ふぜいに話したところで何ら問題も無いと思うが…)
(五日後に港に運ばれて来る訳ね……潜入捜査見事に成功~♪)
何も知らない越後屋を挟んで、互いに目を合わせてにんまりと頷くお銀とてぃーだだった。
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