越後屋がどこかから鉄砲百丁を仕入れようとしている事は明白である。


問題はその在処をどうやって聞き出すかなのだが…


そんな四人の思惑には全く気付いていない越後屋は、鼻の下をのばしてお銀のお酌を受けながら、お銀を口説こうとしている。


「どうじゃ、銀やっこ♪儂の女にならんか♪
そうすれば金には不自由させんぞ~♪」


馴れ馴れしく腰に手をまわされ背筋に悪寒を感じながらも、お銀は大げさに喜んでみせる。


「まぁ~嬉しい♪
あたし、お金持ちって
だぁ~い好き♪」


「そうだろう~そうだろう♪金持ちの嫌いな女なぞ、世の中に居る筈が無いからな♪
なぁ、春やっこ♪お前もそう思うだろ?」


不意に話を振られたてぃーだは、越後屋の方に笑顔を向けながらも、全面的な肯定はせずにこんな答えを返した。


「ええ、アタシもお金持ちは大好き♪
…でもね越後屋の旦那……アタシが一番好きなのは、宮本武蔵のような、強~いお侍♪
やっぱり、剣術の達人って良いわぁ~♪」


そんなてぃーだの言葉にプライドを傷つけられたのか、越後屋は注がれた酒を一気に飲み干し、口を尖らせてこう言い返した。


「ふん!剣術など、所詮鉄砲の敵ではないわ!」


それを聞いたてぃーだの眉がピクリと上がる。


(よし、うまくかかったわ♪)