「それにしてもシチロー殿…お主達は一体、何者なんじゃ?」


ラーメンをすすりながら、光圀がそんな素朴な疑問を投げかける。


4人共に江戸時代では決して見かける事の無い衣服を身に纏い、シチローは火を自在に作り出し、ひろきや子豚は、ビールやラーメンといった見たことも無い代物を平然と飲み食いしている。


光圀が不思議に思うのも無理のない事だろう。


シチローがその質問に何と答えようかと悩んでいると、弥七がその間に割り込んでこんな事を言い出した。


「御隠居!あっしには解りますよ♪…この四人はきっと、どこぞの藩お抱えの『忍の者』に違えねぇ!」


弥七は、先程のシチローがライターで煙草に火を点けた様子や、ラーメンやビールといった食糧をバッグに蓄えている事などから、この四人の事をずっと忍者ではないかとにらんでいた。


「なっ♪そうだろ?
シチロー殿!」


「ハハハ…まぁその…そんなようなものです」


シチローは、何と答えて良いか解らず、あえて否定もせずに笑ってそう答えた。


「それは心強い♪ならば弥七と一緒に、是非とも今夜の偵察に力を貸して頂きたい!」


「え・・・?」


助さんも格さんも、そう言って、身を乗り出して満面の笑顔でシチローの肩に手を置いた。


「は…はぁ…」
(もっと違う言い訳をしておけば良かったな…)