「ちょっとお~!食べ物これしか無いのぉ?」


江戸時代の質素な料理に物足りなさを訴える子豚は、ごそごそと自分のバッグを漁り始めていた。


「仕方ないわね…おじさ~ん!熱いお湯頂戴!お湯~!」


その子豚の手にあるのは、2009年から持ってきたカップラーメンであった。


「何じゃ、それは?」


興味深そうに問い掛ける光圀に、子豚は当たり前のように答える。


「何って、ラーメンよ…御隠居も食べる?」


そう言って、バッグからカップラーメンをもう1つ出して、光圀に差し出した。


「お湯を注いで食べるのよ!」


子豚は自分の分と光圀の分のカップを開封し、店の主人から貰ったお湯を注いだ。


そして、その様子をまるで子供のように目を輝かせて見つめる光圀。


「では、いただき…」


「ああ~!ダメダメ!
3分間待たなくちゃ!」


お湯を注ぐなり、いきなり箸を付けようとする光圀に向かって、子供を叱るような口調で制止する子豚。








「まだかの?」


「まだまだ、あと1分!」






「……まだかの?」


「あと30秒よ!」






光圀……子供かっ!