「それじゃあ~いっただきま~す♪」


川魚の焼き物に漬け物…そして味噌汁といった、シチロー達の時代から見ればあまり豪勢とはいえない料理ではあるものの、あの水戸の御老公一行と食卓を共に出来るなんて、この上ない光栄な事である。


しかし、チャリパイが
ただの食事だけで済む筈が無い。


子豚が日本酒を注文するのを皮切りに、お酌合戦が始まり、次第にいつもの宴会が始まる。


子豚は…


「ねぇ~格さん♪
印籠見せてよ♪記念に
写メ撮るんだから♪」


「ん~そうだな♪
ちょっとだけだぞ!ちょっとだけ♪」


そして、ひろきは…


「そうそう!あたし、
ビール持って来てたんだ♪御隠居も飲む?」


「びいる?はて…初めて聞く名前じゃが…せっかくだから、頂戴しようかの♪」


ひろきが注ぐ、生まれて初めて見る泡の立った黄色い液体に恐る恐る手をつける光圀。


それをひとくち喉に流し込むと、光圀は歓喜の声を上げた。


「う!うまい!」


喉にぐっとくる程良い刺激、そして爽快感は、光圀が生まれてから一度も味わった事の無い感覚であった。


「世の中は広い…こんなうまい飲み物が江戸にあったとは!」


格さんは、大事な印籠を子豚に触らせてるわ、光圀はひろきとビール飲み始めるわ…



その時だった。