タイムトンネルが現れるまでの時間は、あと1分を切っていた。


さて、シチローとひろきの2人は?





「ハァ…なんだよ…あの…ヤクザ!ハァ…走るのメチャクチャ速いじゃね~か…」


普段から不健康な生活を送っているに違いない
ヤクザなどマクのは簡単だろうとタカをくくっていたシチローは、意外にもしつこく追って来る
ヤクザに苦戦していた。


「シチロー…もう疲れたよ~!昨日あんなにビール飲むんじゃなかった!」


そう…よく考えてみれば、『不健康さ』では森永探偵事務所だって決して負けてはいなかったのだ…


シチローは、走りながら腕時計をチラリと確認した。


「ヤバイあと30秒だ!ひろき、ラストスパートだっ!」


シチローとひろきは、最後の力を振り絞ってグンとスピードを上げた。


そして、ヤクザとの距離を30メートル程に広げると、そのまま路地の角を曲がる。