子豚が乗った瞬間、エレベーターが喋った。


シチローはまだ乗っていない訳だから、4人しか乗っていないのに…


「何よそれ!私が乗った瞬間に重量オーバーって、ど~ゆ~事よ!」


子豚は、エレベーターのスピーカーに向かって
キレていた。


「まあまあ、そんなに怒らない♪別にコブちゃんが重量オーバーって意味じゃないんだから。
コブちゃんの代わりに、オイラが乗ったって同じ事……」




♪ピンポーン
『セーーーフ♪』




「…………………」




シチローの気遣いが、裏目に出たようだ。


ひとりエレベーターの外の子豚は、いじけてしまった。


「どうせ私は重量オーバーよ……みんなだけ先に行けばいいでしょ…」


そんな事を言われて、
はい、そうですかと行ける筈が無い。


そこで、心優しい凪が子豚に声をかけた。


「それじゃあ、私とティダが降りるから、コブちゃん乗ってよ♪」


「そうそう♪アタシと凪は後から行くから♪」


子豚1人に対して、凪とてぃーだ2人というのはちょっと気になるところだが、これなら重量オーバーにはならない筈である。


「そう?悪いわね~♪2人共♪」





♪ブーーッ
『残念でした♪』


「ぶっ壊すぞ!テメエ~!」