[そうだね。おやすみ、和音ちゃん]


[おやすみ、依乃]




 返信が届くと、私はメッセージアプリを閉じて、ベッドに横たわる。

 こんな時間まで起きてることはないから、眠気はすぐに訪れて、私は、すぅ、すぅ、と眠りについた。


 それから数日間、私はナキタマさまのおまじないのことを忘れて、和音ちゃんと色んな話をしながら過ごした。

 いつも通りの、変わらない日常。

 それが変わってしまったのは、ナキタマさまのおまじないをしてから4日後の朝。




「あれ?なにこれ…」




 身支度をするなかで、左手に赤いものが見えた気がして、目の前に手を持ってくると。

 薬指の付け根に、指輪のような赤い痕ができていた。




「えっ…こ、これってもしかして、ナキタマさまのおまじない…!?」