和音ちゃんから教えてもらった唄を、小さな声で歌う。


 永遠に 誓います

 私のカラダは フタリのもの

 私のココロは フタリのもの

 縁を繋いで 結ばれましょう

 私と共に 生きましょう


 最後まで歌い終わると、私はそぉーっとスマートフォンを持ち上げて、電源ボタンをカチッと押しながら左手を照らした。

 薬指に、指輪のような赤い痕は…ない。




「やっぱり、ただの作り話かぁ…」




 ちょっと残念だな、と思う気持ちは胸にしまって、この時間までチャットに付き合ってくれた和音ちゃんに、結果を知らせる。




[ナキタマさまのおまじない、やってみたけど、薬指には変化がなかったよ]


[えぇ〜、そっか〜。残念だったねー]


[うん。もう遅いから寝よう?]


[はいはーい。お互い、明日は寝坊しないように気をつけないとね]