ナキタマさま ナキタマさま

 永遠に 誓います

 私のカラダは フタリのもの

 私のココロは フタリのもの

 縁を繋いで 結ばれましょう

 私と共に 生きましょう




「ありがとう…ねぇ、ナキタマさまって、なんなの?」


「あ、知りたい?それはねぇ――」




 むかしむかし、あるところに、(たま)という名の女の人がいた。

 お珠と呼ばれたその人は、不治の病をわずらったことで、愛する人と結ばれることができなかった。

 死の間際、お珠は涙を流し、こう願う。


 私のように、愛する人と結ばれない、哀れな者が、この先1人も現れませんように。




「だからね、泣き珠さまに、愛する人と結ばれたいっていう強い気持ちを誓うと、泣き珠さまのご加護でくっつけてもらえるんだって」


「へぇぇ…って、運命の人と結ばれる、って話じゃないの?」