「ね!気になるでしょ」


「わっ」




 元気な声がして、和音ちゃんに視線を戻すと、和音ちゃんは、にんまり笑って中村くんを見た。




「そ、それは気になるけど…」


「あははっ、赤くなっちゃってかわい〜。それじゃあ教えてあげるね。ナキタマさまのおまじないは――」




 和音ちゃんは、そのおまじないについて、くわしく教えてくれた。

 午前2時、部屋の全部の明かりを消して、とある唄を歌うのだという。

 すると、左手の薬指に、指輪のような赤い痕が浮かんできて、数日以内に、運命の人と結ばれる。




「えぇ…赤い痕が浮かんでくるって、ちょっと不気味だね…」


「まあまあ、ふしぎな力が働いてる証ってことで。実際にね、となりのクラスの子に赤い痕が浮かんだ数日後…」


「う、うん…」