疑問に思っていた私は、自分の腕がその紙片を、中村くんの下駄箱に入れたのを見て、気づいた。

 これは、ナキタマさまのおまじないの効果なのだと。

 勇気が出ない私の代わりに、中村くんに告白しようとしてるんじゃ?


 そう思うと、一気に緊張してきた。

 でも私の体は、かまうことなく動いて、職員室に向かう。




 ――コンコン


「失礼します」


「うん?早いな。どうした?」


「昨日、理科室に宿題を忘れてしまって…理科室のカギを借りてもいいでしょうか?」


「あぁ、それでこんなに早く来たのか。カギは向こうにあるから、理科室と書いてあるのを持っていきなさい」


「ありがとうございます、先生」