――ちょーぉーだい…




 うぅ、なんか怖い…!


 耳をふさごうとすると、体が動かない。

 まさか、金縛り…!?




――ちょーぉーだい…




 な、なに、もう、なんなの…っ!?




――ちょーぉーだい…




 不気味な声がどんどん近づいてくる…!

 怖いから逃げ出したいのに、体がぴくりとも動いてくれない…っ。




――ちょーぉーだい




 耳元でその声が聞こえたとき、私は、ハッと目を覚ました。

 カーテンから薄くもれる太陽の光が、いくらか私を落ち着かせてくれる。




「ふふ、ふふふ…」




 え?なに?誰の笑い声…?

 まさか、さっきの夢の続き…!?


 布団をぎゅっとつかんで口元まで引き上げようとすると、私の体は、なぜか布団をどけて、起き上がった。


 え?え?なに、どうなってるの…?