ふわっと微笑まれて、私は顔が真っ赤になっているのを自覚しながら、こくこくうなずいた。

 中村くんと、こんなに話せるだけじゃなくて、次に話す約束までできるなんて。

 ナキタマさまのおまじない、効果あるかも…っ。


 そのあと、流れで教室まで一緒に行くことになって、緊張しながら、私は教室に入り。

「じゃあね」と言う中村くんにうなずいて、和音ちゃんのもとへ、逃げるようにかけ寄った。




「お、和音ちゃん…っ」


「見てたよ〜、依乃!一緒に教室まで来るなんてどうしたの〜?」


「な、ナキタマさまのおまじない、すごいよ…っ」




 左手を見せながら言うと、にやにやしていた和音ちゃんは、びっくりした顔をする。




「へぇ〜っ、本当に効果あるんだ!じゃあ、依乃と中村くんが付き合う日も近いね〜…!」


「つ、付き合う…っ」