気付けば、お互い裸のまま眠りにつき、朝を迎えていた。

黒木さんは目を覚ますと、腕枕で眠るわたしの頭にキスをして、「くる実さん、朝ですよ。」と言った。
わたしは目を擦りながら黒木さんを見上げると、「おはようございます。」と言い、黒木さんに抱き着いた。

今日はわたしは仕事が休みの日。

わたしは布団に潜り込んだまま、黒木さんが着替えるのを見つめていた。

そして、出勤しようとするので、玄関までお見送りしに行こうとすると、「くる実さんは、まだゆっくりしててください。」と黒木さんに止められてしまった。

「あとでお弁当作って届けますね。」
「今日くらい、ゆっくりしてていいんですよ?病院には、食堂もありますし。」
「わたしが届けたいんです。黒木さんに少しでも会いたいので。」

わたしがそう言うと、黒木さんは微笑み「ありがとうございます。じゃあ、くる実さんを待ってますね。」と言い、短いキスをすると、「行ってきます。」と出勤して行った。

わたしは布団の中から「行ってらっしゃい。」と手を振って見送ったのだ。

手を振り、寝室を出て行った黒木さん。

わたしはしばらく布団の中で昨日の夜のことを思い出していた。
そして幸せを噛み締め、わたしはもう一度眠りに就いた。