私はたった今、彼氏(春弥・しゅんや)と別れた。

幼なじみの瑠依(るい)の家のピンポンを、救いを求めるように押した。

「やっぱりダメだった…」

私は肩を落として瑠依に言った。

「別れた?」

サンダルで玄関へ出てきた瑠依は確認するように言った。

「うん」

私は俯いた。

瑠依の顔を見たとたん、安心したのかどっと涙が溢れた。