「そうです。台公園の花壇の有る場所が好きで、良く散歩がてら遊びにいくんですよ」
「僕も学生の時は、桜を見によく行っていたんだけど……それにしても上手ですね。すぐにその場所だとわかりましたよ」
杉田さんは、喜ぶようにノートに描かれた絵を眺めていました。
その横顔はとても優しく見え、好感を持ってしまいます。
もしミーコが見えたら、同じように優しい眼差しをあたえてくれるだろうか? 喋る絵のミーコをどお思うのだろうか? 杉田さんを意識し、そんなことを考えていました。
その日の帰り、私は台公園に足を向けていました。
素敵な空間の中を歩いてみたい、何故かそんな気持ちになっていたのかも知れません。
高台にあるので長い階段を、ゆっくり登っていきます。
登りきると、今度はその場所から見下ろすように少し下がった位置に花壇が有るので、目の前に全貌が広がります。
「本当に素敵」
ミーコと夕日に染まるこの場所を楽しみながらも、いつしか心の片隅で杉田さんのことを考えていました。
杉田さんとミーコと私の三人で、楽しくしゃべる光景を夢描くように想像していました。
帰りの道のりでは、公園の一角に有るブランコと、滑り台の横を通りました。
その場所には補助輪付きの自転車が置かれており、夕日で長い影を引いています。
何処かで見た光景に私は少し可笑しくもなり、嬉しい気分になりました。
ボーリング大会当日、社員のみなさんと会社近くの駅から、ボーリング場のある駅に向かいます。
高木さんはこの日を楽しみにしていたようで、仕事が終わるとすぐにビールを飲み顔を赤くしています。
皆さんは呆れるように笑っていましたが、桜井さんだけがその行為を怒っていました。
高木さんは電車に乗るまで、延々と怒られています。
男性陣の専務と杉田さんは、一足先にボーリング場に向かい予約をとっているようなので、怒られている高木さんは心細いと思われます。
いつも堂々としている高木さんですが、桜井さんには頭が上がらないようで、言い訳もせず「はい、はい」っと、返事するだけでした。
そんな二人のやり取りを見て、みんなは笑っていましたが、桜井さんで思い出すことがありました。
それは初めて会社にきた、面接当日のことです。
「僕も学生の時は、桜を見によく行っていたんだけど……それにしても上手ですね。すぐにその場所だとわかりましたよ」
杉田さんは、喜ぶようにノートに描かれた絵を眺めていました。
その横顔はとても優しく見え、好感を持ってしまいます。
もしミーコが見えたら、同じように優しい眼差しをあたえてくれるだろうか? 喋る絵のミーコをどお思うのだろうか? 杉田さんを意識し、そんなことを考えていました。
その日の帰り、私は台公園に足を向けていました。
素敵な空間の中を歩いてみたい、何故かそんな気持ちになっていたのかも知れません。
高台にあるので長い階段を、ゆっくり登っていきます。
登りきると、今度はその場所から見下ろすように少し下がった位置に花壇が有るので、目の前に全貌が広がります。
「本当に素敵」
ミーコと夕日に染まるこの場所を楽しみながらも、いつしか心の片隅で杉田さんのことを考えていました。
杉田さんとミーコと私の三人で、楽しくしゃべる光景を夢描くように想像していました。
帰りの道のりでは、公園の一角に有るブランコと、滑り台の横を通りました。
その場所には補助輪付きの自転車が置かれており、夕日で長い影を引いています。
何処かで見た光景に私は少し可笑しくもなり、嬉しい気分になりました。
ボーリング大会当日、社員のみなさんと会社近くの駅から、ボーリング場のある駅に向かいます。
高木さんはこの日を楽しみにしていたようで、仕事が終わるとすぐにビールを飲み顔を赤くしています。
皆さんは呆れるように笑っていましたが、桜井さんだけがその行為を怒っていました。
高木さんは電車に乗るまで、延々と怒られています。
男性陣の専務と杉田さんは、一足先にボーリング場に向かい予約をとっているようなので、怒られている高木さんは心細いと思われます。
いつも堂々としている高木さんですが、桜井さんには頭が上がらないようで、言い訳もせず「はい、はい」っと、返事するだけでした。
そんな二人のやり取りを見て、みんなは笑っていましたが、桜井さんで思い出すことがありました。
それは初めて会社にきた、面接当日のことです。