朝になると、ミーコの部屋にテーブルと食事を描き、左の空白のページに公園の絵を描きました。
 少しでもミーコが遊べるようにブランコに砂場、滑り台を描いたのですが一人で寂しい思いをしていると考ええると、幼少期の自分と重ねてしまいます。


 私はミーコを起こし、会社に出勤することを告げて出かけました。
 
 会社に着いてからも、頭の中はミーコが寂しくないようにどうすればいいか、またどうしてページを移動したのか考えていました。
 ミーコが寂しくないようにする対策案は多少なりに浮かぶのですが、どれも良い考えだと思えませんでした。
 特にページを移動したことは、全くわからないままでいます。
 

 悩んでいる? ぼーっとしている私の前に、突然あるものが視界に入ってきました。
「色鉛筆のセット、良かったら使いませんか? お得意さんからいただいたんだけど」
 そう語り差し出してくれたのは、営業の杉田さんです。


 杉田さんは同期で同い年の男性です。明るい性格で他の人と会話をしている時も、よく笑い声が聞こえます。
 無口の私に気を使ってか、時々しゃべりかけてくれます。
 気軽には声がかけづらいのでしょうか? 敬語と親しい口調が入り混じったものになっています。