「─…俺、昨日から彼女…居るんだけど。知らなかった?」




───…まさかの、彼女持ちでしたかっ!




出遅れた…既に彼女が出来て居たなんて情報は私の耳には入っていなかった




『オメデトウ、ゴザイマス』




とりあえず祝福の言葉を述べて、その場を立ち去ろうとした時…私が手に持っていた数学のノートがバサッと音を立てて落ちてしまった





『─…あ、』




拾おうとしゃがみ込んだとき、遊佐くんの長い腕が目の前に伸びてきて私のノートを拾い上げてくれた





身長が高い彼はしゃがむ必要なんてなかったみたいで、座り込んだ私は彼を見上げるような形になってしまう





──…下から眺める遊佐くん、まじパネェ




なんて、見惚れていると…パチっと遊佐くんと視線が交わった