「だから、関係ないんだよ。志帆と居るからって何も関係ない。アンタが呼べばアイツはすぐに─…飛んでくるはずだ」
遊佐くんが言った直後、画面が"通話中"と表示され…音声をスピーカーにした遊佐くん。
【─…もしもし、籃ちゃん?出るの遅れてごめん、ほら今志帆んちに居るって言ったでしょ?ちょっと席外すのに時間かかってさ……どうしたの?志帆と居るって分かってて連絡してくるってよっぽどだろ、何かあった?どこにいるの、籃ちゃん…まさか、泣いてる?!】
───篠宮っ、
【なんで何も言わないの?もしかして…テストのことで父親になんか言われた?まさかっまた叩かれた訳じゃないよな?……おっけー、分かった。今すぐ籃ちゃんち行くからちょっとだけ待っててくれる?】
『……ごめんっ、』
ごめんね、篠宮っ…信じてあげられなくてごめん。約束したのにまたバカなことをしようとしてごめん。それにまた遊佐くんを叩こうとしちゃったよ…いっぱい約束破ってごめんねっ、
【籃ちゃんっ、泣かないで、】
「気持ち悪い声出してんじゃねぇよ、聞いてて胸焼けしそうになるわ。」
隣で黙って私たちのやり取りを聞いていた遊佐くんの突然の発言により、電話の向こうでガタンっと物音が聞こえた。
【……遊佐?なんで籃ちゃんと一緒なの】
スピーカーから聞こえてくる声がさっきまでとは違う低い声で、篠宮が怒っていることを伝える。