そんな私たちの横を、バスが追い越していく



───うわっ、マジか!!



走りたい…けど、まだ全力で走ることを医者に禁じられている為、、精一杯の早歩きで歩く




これを逃すと30分待たされるので…何としてでも乗りたいっ、、




必死でバス停まで向かって歩いている私の隣で、同じように歩いていた篠宮が突然全力疾走で走り抜けて行った…かと思うと、、




停車して開いたドアに片足を乗せて…ドアが閉まるのを阻止している。……何やってんの、あの人。




「ちょっと、君っ…そういうのは困るよ、」



運転手が直々に篠宮に注意をしにやってきた頃、ようやくバス停に辿り着いた私。もしかしたら篠宮は…私のためにバスを止めてくれていたのだろうか…?




「いやぁ…財布、なかなか見つからなくて。すみません、今すぐ乗りまーす」




っと言って、私の腕を掴んで一緒にバスに乗り込んだ篠宮。……え。まさか同じバス通学?




その後すぐに発車したバス。1人がけの席に座った私のすぐ後ろの席に篠宮が座った。




「藍ちゃんがバス通学だって知らなかった。迎えに行くの、遅くなってごめん」




──別に、誰も頼んでないけどな。