「藍ちゃーん、お願い機嫌直して」


『別に、機嫌悪くなったりしてない』


「…拗ねてる?その割に離れようとしないね?嫉妬してるの?かわいーな」


『もうっ!髪の毛触るのやめてっ!!』


「いやだ。腕の中に藍ちゃんが居るのに触らないとか勿体なくない?」



……殴っていいかな?




「痛ってぇ!何で殴るの?!!」



左手で篠宮の肩をグーで殴ると、少し身体を離し…目を合わせて文句を言われる



『篠宮が悪いんでしょ。文句言わないで…殴っていいって言ったくせに』


「理由もなしに人を殴るのは違うだろ?」


『理由なら─…ある。』


「なに?言ってみて?」




……言いたくないな。絶対調子乗るって分かってるから。




「……藍ちゃん?怒るよ?」


『誰とでもキスする、篠宮が悪いじゃん!その中の一人にされたことがムカついた、だから殴った!理由あるから、もういいでしょ離して』



篠宮の腕から逃れようと暴れてみせると、それを阻止するようにキツく抱きしめられる




─…苦しいんですけど