そして迎えた放課後──…
HRが終わってから5分が過ぎたものの…奴は私を迎えになんて来なかった。
───帰ろう
「…あれ、三澄さん…帰っちゃうの?麻斗くんまだ来てないけどっ、」
『約束を破る男は嫌い─…って、伝えといて』
まぁ、約束を交わした覚えはないが。私は学校までバスで通っているので…これ以上待ってしまうと乗り過ごしてしまう。
また明日も学校はあるし、置いていったところで何か起こるとは思わない。
なんて…思いながらローファーに履き替えてバス停に向かって歩いていた私に、、
「藍《らん》ちゃ〜んっ!!!」
っと、背後から大声で名前を呼ぶ声が聞こえて思わず足を止める。
………篠宮 麻斗、、
声の主を確認したところで、再び彼に背を向けて歩き始める。私に無視された篠宮は、、
「っえ…ちょっ、何で無視っ?!!」
さすが陸上部…っと妙に納得の全力疾走で私の目の前まで走ってきた。…邪魔だな、退けよ。通れないじゃないか。
「迎えに行くって…言ったのに、、」
拗ねたように私を軽く睨んでくる篠宮…ほんとに麻斗《あざと》という名前が良く似合う男だな、、
『待ってたけど、来なかった』
「待ってたって、、教室行ったら既に居なかったんですけど?!」
『─…5分待った。っていうか退いて、バス間に合わない』
「5分っ?!いや、厳しすぎっ!!」
ウダウダ文句を言っている篠宮を追い越して、バス停まで早足で歩く私の隣にピッタリと並んで歩く篠宮 麻斗。
───ウザイな。