『思い出して欲しかった。私が居なくなったあと…私との楽しかった頃の思い出を家族みんなで話して欲しいって思った』



誰の責任でこうなった…なんて言い争うんじゃなくて、ただ思い出して欲しかった。



私との楽しかった思い出を、みんなで話してくれればそれで良かった。



『まぁ…結果生き伸びたからね。"恥さらし"だって怒られて終わった。こんな娘に育てた母親の責任だって、お母さんは責められて家に帰ってくることが減ったし…父親はこの前見た通りのままの人。どう?私も色々大変でしょ?』



「藍ちゃん、俺…」



『私も話し逸れちゃったけどさ…篠宮は遊佐って子とちゃんと話し合うべきだと思う。それはいがみ合う為じゃなくて─…勇牙って子の話を二人でするために。』




──…そう思わない?



『一番楽しかった時代を一緒に生きた友達なんでしょ?その頃の勇牙くんを知ってるのは篠宮と遊佐くんだけなんだから…二人が思い出してあげないと、勇牙くん…寂しいよ』



「……ゆうが、」


『どーせ知らないんでしょ?遊佐くんは篠宮が志帆ちゃんと付き合ってること、知らないんでしょ?多分知ったら怒ると思うよ。』



「なんでっ、」



『だって篠宮の人生は、篠宮のモノでしょ?』





友達の人生を勝手に背負って生きてる篠宮のことを知ったら…同じように友達だった遊佐くんはきっと…怒ると思う。