図書室から教室に向かっている途中で…虚しくも始業のチャイムが鳴ってしまい、授業に間に合わないことを告げる




「あー…残念、遅刻確定しましたね。ってことで藍ちゃん拉致っちゃおーっと」



……は?


っと思った時には既に腕を掴まれていて、教室とは反対の方向へと足を進められる。




『ねぇ、どこ行くの?私授業サボるとか嫌なんだけど』


「俺、体調悪いんだよね…藍ちゃん保健室まで付き添ってよ、お願いっ!」




……どこが体調不良なんだよ、早足で歩いてんじゃねーかよ。




保健室…に行くのかと思いきや、篠宮が扉を開いたのは"軽音部"と書かれた部室のドア




──え、コイツ軽音部なのっ?!




「あ、違うよ?俺音痴だし、楽器とか弾けねぇし音楽とかマジで興味ないから」


『じゃあ何でここ入れるの?』


「まぁそれは…ノリと勢い?」




サイテーかよ。不法侵入じゃん。