「……先に、叩いたのは藍ちゃんだよ?ちょっと躾、足りてないんじゃない?」
「──テメェみたいなクズは叩かれて当然なんだよっ!まず女相手にやり返すなんて、クソみてぇなことしてんじゃねぇよっ!」
「あー…はいはい。俺が悪かったよ。大人しく殴られてやったんだから…もういいだろ?いい加減退けよ」
篠宮から逃れようとする日向を─…再び殴りつける篠宮。日向の口元から血が流れたのが見えて、さすがに止めようと思いさらに手を下そうとする篠宮の腕にギュッとしがみついた
「……藍、離せ」
『いやだっ、痛い』
「──は?何、お前ケガ、」
『殴る方も痛いって─…教えてくれたのは篠宮だよ』
篠宮が一瞬、ためらった隙に…日向は篠宮から逃げるように体制を整え、フラフラと立ち上がった
「麻斗が強いのは知ってる…だから逆らおうなんて思わない。安心してよ、もう関わったりしないから」
「…は?待てよっ!!逃げんなっ!」
弱々しく歩きながら図書室を出ていく日向を、追いかけて行こうとする篠宮の腕をグッと掴む