「……じゃあ、また放課後迎えに来るから。友達何人できたのか…後で教えてよ?」



───は?なぜに?



名前も知らないその男は、私を"迎えに来る"と言って教室を出ていってしまった。一体、何だったのか、、っと、一息ついた瞬間─…




「っあ…あの、、三澄《みすみ》さんって麻斗くんと友達なんですか?」



1人の男子生徒に話し掛けられた。




三澄…っというのは私の苗字だ。




──…名前、知っててくれたんだ




『………たぶん、友達。』




この雰囲気で"友達じゃない"とは言いきれなくて…たぶん、っという言葉が前に着いてしまったが…私が"友達"と言った瞬間から、たくさんのクラスメイトたちが話しかけて来る




「っお、俺っ!!麻斗くんと一緒によく走ってます!康二《こうじ》です!仲良くしてください、」


「っちょ、お前ズルいって─…えっと、、三澄さん…俺も仲良くして欲しいですっ!麻斗くんとは中学から一緒で…もうマジでカッコよくて、すげー憧れなんですっ!」



「ちょっと男子っ…うるさいっ!!三澄さん…ごめんね?あの、良かったら明日からお昼一緒に食べない?!」



「まさかあの篠宮《しのみや》くんに彼女以外の女友達が居たとはっ…しかも美女!」



「っあ…そうだ、藍《らん》ちゃんって呼んでもいい?っていうか名前まで可愛いってどゆこと!?」





私があの麻斗という男と知り合いだと分かった瞬間から…クラスメイトたちは私と親しくなろうと必死みたいだった




───なんなの?