「──調子乗ってんじゃねぇよっ」
そのままドンっ…と壁に身体を押さえつけられたとき、篠宮の言った言葉の意味をようやく理解した
【すぐに手ぇ出すの、禁止。自分から敵を作るようなことはやめろ】
多分こういう状況のことを言ってたんだろうなって、今になって理解したところで…この状況をどうやって回避すればいいのか分からない
私が誰かに手をあげそうになったときは"俺を呼べ"…なんて篠宮は言っていたけど、手を出してこんな風に絡まれた時の対処法は教えてくれなかった
つまり、自分で何とかするしか無いという訳で
『……くるしい、ですっ、』
「だろうね、俺いまムカついてるから」
『はな…してっ、』
「─…イヤだ…って言ったら?」
グッと、首元にある手に力を込められて顔を歪める。そんな私を見て嬉しそうに笑う目の前の男は本当に─…篠宮の友達なのだろうか?
「いい顔するね、藍ちゃん…キス、しよっか」
見下したように笑い、私に顔を近づけてくる男から逃れようと…ギュッと目を閉じたとき、