『それなら、篠宮とは別れて本当に好きな人と付き合えば？そんなこと…私に言われても、』


「……別れよう、なんて自分から言えない」



とんだ甘ったれだな、何言ってんだこの子。




『よく知らないけど…篠宮は友達の代わりにあなたと付き合ってるって言ってた。卒業するまでは貴方のことを守るって、』



「そーいうの、嫌なの…あっくんが彼氏なんて本当に、嫌なの」



『………なら、篠宮に直接言えば？私に言われても、』



「三澄さんの言うことなら…あっくん聞いてくれそうな気がするからっ、三澄さんから言ってくれないかな？私と別れるように、」




───は？なんで私が？



『っいや、意味分かんないでしょ。何で私が篠宮にそんなこと言わなきゃいけないの？自分のことなんだから、自分で言いなよ』



「だって三澄さん、あっくんのこと好きだよね？見てたら分かるよ…昨日だって私があっくんのこと呼び止めた時、一瞬寂しそうな顔してた。＂取られた＂みたいな、、そんな顔、」



『──は？そんな訳ないでしょ？！何言ってんのっ？！』




腹が立った。ほぼ初対面の名前すら知らない彼女に知ったような口をたたかれて、、



思わず、手をあげてしまいそうになったんだ