「………藍、何してる?」



後ろから、よく知った人間の声が聞こえて…思わず隣にいる篠宮の人差し指をギュッと握ってしまった



「…藍ちゃん?」



篠宮が私の顔を覗き込んだのとほぼ同時くらいのタイミングで、、



「─…藍、こんな時間に出歩いてるのか?」



再び後ろから声をかけられて、ゆっくりと振り返った。





『………お父さん』




久しく姿を見ていなかった父親が、このタイミングで帰宅してしまった。─…オワタ。



「……あの、すみません。俺が連れ回したせいで娘さんの帰りが遅くなってしまって、本当に申し訳ありま、」


「─…部外者は黙っていてくれないか?藍、早く答えなさい。こんな遅くに出歩いて、一体何処で何をしてた?」




最悪だ。こうなったらもう、父は私の話しにしか耳を傾けない。