「ら、藍ちゃんっ…尊すぎ!!」
飛びついてきそうになった篠宮をギリギリのところで回避して、冷たい視線を送る
『早くスマホだして。それとも連絡先交換するの嫌なの?嫌なら別にいいよ、しなくて、』
「するするするするっ!交換するっ!するに決まってんじゃん、しないとかいう選択肢ないでしょっ、っえ…何言ってんの、怖っ!!!」
……いや、お前がなっ?!
私の手の中のスマホを取り上げ、慌てて連絡先を打ち込んでいる篠宮を見ながら…先程の言葉の意味を考える
能天気そうに見えるコイツにも、コイツなりの悩みがあるんだろうな…って少しだけ親近感が湧いた。
人に知られたくないことは私にだってある。お互いのことをよく知らない篠宮と一緒にいるのは…正直、私も楽だった。
だから、これ以上踏み込むなと線を引かれたらそれを越えるつもりはない。だって…私はコイツとは友達でいたいから、、
「はいっ、完了!!これで俺と藍ちゃんは24時間365日…うるう年の場合は366日、いつでも連絡を取り合える関係になりました!拍手っ」
………ノリはとてもウザいけど
でも、それでも…篠宮のこの明るい性格は確実に私の心を癒してくれていた