泣いてる私と、オロオロ慌てている篠宮の元に…私が助けてあげた女の子、蓮水さんが近づいてきた




「あのっ…申し訳ありません。私が同じ学校の女子に暴力をふるわれているところを…彼女さんが助けてくれたんです。先に叩いたのは向こうで…彼女さんは、自分から手を出そうとしたけど直前で手を止めていました。だから、貴方との約束を破ったわけではないと思います」




蓮水さんは篠宮に怯えながらも、淡々とあの時の様子を語ってくれた。そしてその後、私と目を合わせると─…




「……助けてくれて、ありがとう」



って。そう言って笑った彼女の笑顔はとても可愛らしくて…どうかこの先、彼女が傷つくようなことがないように、っと願った。




…………っていうか、




『私、この人の彼女じゃないよ。やめてよ、こんなウザくてあざとい変人が彼氏とか思われたくない』




すっかり涙なんてものは引っ込んで、いつもの調子で篠宮を貶した私に、、




「……ウザくてあざとい変人、って。ウケる」




っと、蓮水さんの隣に立っていた遊佐京志郎が賛同したところで、、




「テメェ、クズ遊佐っ!俺の藍ちゃんの声、勝手に聞いてんじゃねぇよ!てか会話に入ってくんな!藍ちゃんと関わろうとすんなっ!」





……俺の藍ちゃん?



お前の物になった覚えはないぞ、篠宮。