「──いいの?俺たちさっきまで集会してたから下手な騒ぎ起こしたら来るかもね。お前の嫌ってるあの人たち」



あの人たち…っと言われて、篠宮が少しだけ勢いを無くした。嫌ってる人達って…誰なんだろう、、って別に、私には関係の無いことだけど




「俺はお前とお前の女には何の興味もねぇんだよ。俺が興味あるのは"蓮水さん"だけ。分かったらそこ退けよ、邪魔なんだよ─…麻斗」




篠宮の手を力強く振り払った"遊佐 京志郎"はそのまま私が助けた女の子…おそらく蓮水さんという名前の、彼女の元へと足を進める




「………蓮水?」



篠宮はその名前に聞き覚えでもあるのか、怖い顔をして蓮水さんのことを睨みつけている。ので、手で拳をつくって軽く篠宮のおでこを殴った




「イテッ、藍ちゃん…今ここで暴力はっ、」


『篠宮だって今、あの子のこと睨んでた。手を出すことだけが暴力じゃない。そんな怖い顔で女の子を睨みつけるのはダメだよ』




篠宮と遊佐京志郎の関係は知らないが、それと彼女のことは別問題だ。それに…篠宮に女の子を睨むようなことをして欲しくない。これは私の願望だけど。






「………待って、藍ちゃん。こっち向いて」




急に顎に手を添えられ、グッと上を向かされる




「──誰にやられた?あの蓮水って女?ならやっぱ許せねぇ、同じことしてやるっ」



『違うっ、別の人!なんか派手な頭悪そうなギャルみたいな人!あの子じゃない!あの子だって髪の毛を掴まれてた!被害者!!!』



「じゃあそのギャルみたいな女は?どこに消えた?他に特徴は?絶対に今日中に見つけ出して痛い目にあわせてやる。許さねぇ…絶対に、」



『いやっ…もう自分でやり返したからいい。これ以上何かしたら今度は私たちが悪者になる…ってかもう既に、私はグーで殴ったからどちらかと言うと…私の方が悪い、、』




バチギレの篠宮に、正直に全て話したが…それはどうやら間違いだったみたいで。