「ごめんなさいっ…巻き込んでしまって、ほんとに…」
『すぐに謝るの辞めたら？ごめんねって言われるより、ありがとうって言われた方が嬉しい。私は大丈夫だから、気にしないで』
カッコつけたことを言うようだけど、何度も謝られるよりも感謝の言葉を言われた方が、殴られた甲斐がある。なんて言ったら、また篠宮に怒られそうだけど。
私を見て申し訳なさそうな表情を浮かべる彼女の胸ポケットで、スマホが光っているのが見えた。
『………スマホ、鳴ってるけど』
っと、伝えてあげると…その場で通話を始めたので…聞かないようにしようと、自分もスマホを手にしたタイミングで、家政婦の間宮さんからの着信が入った
─…もう19時か、、心配してるのかな？
『もしもし─…間宮さん、ごめんまだ外、』
【──藍ちゃん？どこにいるの？もう19時過ぎてるけど…何で帰ってこないの？俺が…怒ったりしたから？─…ごめんっ、俺が悪かったから機嫌直してよ…藍ちゃん】
………叩かれて耳がイカれたのか？
間宮さんのスマホから、篠宮の声が聞こえる。
